オリジナル手ぬぐい制作 神野織物「和」日記

神野織物代表 神野哲郎のオリジナル手ぬぐいについて綴るブログ

コンサートで販売されているようなタオルの秘密


 

コンサートなどに行くと アーティストグッズとして屋外のテントで売っていて並んで購入するのが
物販用タオルです。

タオル以外にも色々なグッズも売っています。
チョット前でしたらTシャツが主流でしたが、ここしばらくはタオルが主流になっています。
これは、「湘南乃風」さん くらいからタオルを回してアピールするがレゲエバンドに多くタオルが売れるようになっってからかな?って思ってます。

今では野球を見てても球場でタオルを振り回すってのも有るくらいです!
これも昔はビニール傘を振り回すくらいでしたから変わったものですね。

で、このコンサートで売っているアーティスト用のタオルですが、一般の人は
「タオルは全部同じじゃない?」て 思っているでしょうがプロのタオル屋からすれば 
「そんなことないない!」で 実際は結構苦労して作られているのです。

まず、素材が違います!

タオルって言えば、そうですね・・・温泉でもらうタオルなんかを想像すると思いますが、あのタオルは体を洗うときには丁度いい厚さのもので あなたがコンサートで買うようなタオルとは違うでしょう?温泉のタオルはパイル地が殆どで石鹸の泡が立つような素材となっています。

では、コンサートで販売している物販のタオルはどういったものかというと 「シャーリング素材」という生地を使います。
これは、タオルのループの部分をカットして生地表面を滑らかにしたタオルで これを使うことでアーティストの一番大事なイメージを損なわないプリントが綺麗に出来るという素材です。

このプリントにも特徴があって、ほとんどのアーティストタオルは「染料プリント」を使います。
これは、販売促進用でよく使う安価な顔料プリントとは違い 触った感じが滑らかで柔らかく出来上がるのです。
それにこの染料プリントは、水分を吸収するのです。

一般的な顔料プリントは、荒っぽい言い方をすると表面にペンキを塗ったような感じですので その部分は水分を吸収しません。
でも 染料プリントは、水分を吸収するのです!

 

やっぱり イメージ重視のアーティスト用ですから印刷面が硬かったり 水分を吸収しないようなタオルはダメなようですね。

 

プリントでの苦労はですね・・・やっぱり納期です。

 

お伝えしたようにアーティスト用のタオルは、染料プリントを使うのが一般的ですがこのプリント方法 顔料プリントと比べて工程が多く時間がかかるのです。

販促用のタオルなんかは、プリントして乾かして袋入れして終わりって感じですが 染料プリントの場合は、乾かした後に余分な染料を落とすのに大きな洗濯機で洗います。その後乾燥して一枚ずつ切ってタオルの周りの縫製をしてやっと出来上がり・・。その後一枚づつの個包装って具合です。

「洗う」のと「乾燥する」のと「縫製」する。
これだけ余分に時間がかかるのです。

時間がかかるってことは・・・そう 金額も高くなるって事。
タオルの大きさにもよりますが 倍くらいになることもあります。
でも それだけかかってもタオルの質としては一番いい出来となります。

手触りと吸水性は抜群です!

こんなように時間の掛かるタオルですが、ご存知のようにコンサートは実施する日が決まっていますからここに合わすのに工場は四苦八苦で対処することとなります。
最終的にはお願い!って感じになるわけですが 全国でもこの染料プリントが出来る工場も数件(それも一桁・・・)しかないので出来る枚数もしれています。

ですからお願いするところを間違えれば大幅な納期遅れ、品質の低下って事になりますので この辺りは慣れているタオル問屋さんにお願いするのが一番ですね。