from 神野哲郎
「ハエトリ紙」ってしってますか?
かなり昔(昭和40年代くらいかな?)には結構ポピュラーだったアイテムです。
その名の通りハエ(蠅)を取る紙です。
私の小さい時には、海の家なんかに行くとよくこのハエ取り紙がぶら下がっていたのを覚えています。
今の若い人にはなんのこっちゃ?って感じだと思いますので、簡単に説明すると茶色い粘着テープのような紙で、天井からぶら下がっているやつです。
ハエが飛んでくるとそのテープにくっついて逃げられなくなるという仕組み。
ゴキブリホイホイの紙テープ版のような感じと思ってもらえればいいかな。そんなええかげんな作りの物です。
昭和のころってまだまだハエとか多くって、結構一般家庭でもハエトリ紙やちゃぶ台の上にかぶせる網で出来てて開閉できるやつ(蠅帳というそうです)が当たり前のようにあったのです。
今は冷蔵庫や電子レンジの普及もあって、テーブルの上に食材を置いておくということもなくなり、そういやハエもあまりいなくなりました。
ハエや蚊についても殺虫剤とかが進化していますから、見た目に美しくないハエトリ紙の出番はなくなりました。
そのハエトリ紙が人気を博しているそうです。
しかも海外で。
以前見たニュースでは、東南アジアで人気があると言ってましたし、メーカーによると8:2の割合で海外の方が多いとのこと。
確かに衛生環境が日本と同じレベルじゃない国だとハエもまだまだ多いだろうし、コスト的にもハエトリ紙の方が安くつくのかもしれません。
あとレストランの厨房とか、殺虫剤が使えない場所で使われているとか。
「なるほどね~」という感じですね。
さて、気になる「2割の日本使用分」ですが、主に家畜の飼育場や食品加工工場などこちらも「殺虫剤禁止」の場所で使われているそうです。
これも「へ~」という感じです。
いくら世の中が便利になったとはいえ、思わぬ盲点のようなことは多々あります。そこにハエトリ紙はうまくはまったんでしょう。
そういえば、昔ながらのネズミ取り器がいまだにあるのもやはり場所によっては必要に迫られているんでしょうね。
こういうニュースは、手ぬぐいや風呂敷といった、いわばレトロなものを扱っている私たちにとっては 実はとても勇気づけられるお話です。
もしかすると「ここは手ぬぐいでないとダメなんだ」というニーズがまだまだ隠れているかもしれませんね。
そしてそういうニーズを発見するのも面白いものです。
PS 妊婦さんの腹帯も実は手ぬぐい生地の長いやつなのです。
妊娠した時にお寺でもらう腹帯。これは文生地の一反ものなのです。手ぬぐい生地こんなところで活躍しています。