オリジナル手ぬぐい制作 神野織物「和」日記

神野織物代表 神野哲郎のオリジナル手ぬぐいについて綴るブログ

【お祭り・家紋手ぬぐい】販促にも使えるオリジナル手ぬぐいの製作方法について徹底解説します!


オリジナル手ぬぐいについて

手ぬぐい生地の歴史や由来から種類、目的にあったオリジナル手ぬぐいの製作方法など解説していきます。

今回の記事を最後まで読めば、手ぬぐいに関するより深い知識や自分にあった作り方が分るようになりますのでぜひ最後までご覧ください。

風合い豊かな生地|手ぬぐいの生産と種類について

手ぬぐいの生地は和晒(わざらし)生地

生地は織りあげた当初は茶色っぽい状態(生成り)となってます。この出来た当初の生地を漂白し、不純物等を取り除く作業が「晒す(さらす)」という作業です。

この晒すという作業には「洋晒」と「和晒」の2通りあります。

 

洋晒とは、ハンカチやタオルをつくるときの定番の晒方法で、自動精錬機を用いておよそ60分~80分程度で洗浄や漂白を行います。

生地を強制的に薬品で洗浄・漂白する方法で、短時間で行うことができ天候に左右されないメリットがあります。繊維に圧力がかかるため、生地本来の風合いが損なわれやすくゴワゴワとしたさわり心地となります。

 

和晒とは、主に手ぬぐい等の生地をつくるときの定番の晒方法です。

巨大な窯に織りあがった生地を入れ、洋晒のような引っ張ったり伸ばしたりせず、そのままの状態で最低限の薬品と水を使い4日間かけて焚いて晒していきます。

繊維1本1本の形状が崩れず保たれているため、空気を含んだふんわりと柔らかいさわり心地となります。

 

手ぬぐいの生地はこのように、しっかりと時間をかけてつくられるため高品質で風合いの良い生地となります。

 

産地は大阪府堺市が名産地として知られています。

石津川が流れる毛穴・津久野地区でおよそ90%の和晒生地がつくられています。

生地の種類

手ぬぐい生地は、おもに
「文生地」「岡生地」「特岡生地」「特文生地」
の4つに分かれます。それぞれの生地で糸の太さや目の詰まりに違いがあります。

「文生地」

目が粗く織られていて20番手(通称ニマル)という太口の糸が使われます。

太い糸で織られているので使っているうちにフカフカになってきます。厚みがでてしっかり拭きとれます。

ただし、注染で文生地を使うと、その特徴から「刺さり」や「滲み」が出やすくなるのがデメリットです。

 

文という由来は諸説ありますが、一説では「丈夫な生地」の丈から転じて「文生地」というなったとのことです。

また文生地は「総理」とも呼ばれています。

関西に総理晒(そうりさらし)という名前で手ぬぐい生地を販売していた商社があります。この商社が時代の流れに乗って全国に大量に販売をしたので、手ぬぐい生地=総理となって文生地の事を「総理」と定着したようです。

「岡生地」

目が細かく織られていて30番手(通称サンマル)という細口の糸が使われています。

使っているうちになめらかに腰のない柔らかい使い心地になってきます。細かいデザインを手ぬぐいにプリントする場合などは、密に織られているためキレイに再現することができます。

文生地よりも触り心地が薄くなってしまいます。

 

岡生地は栃木県真岡市に由来があると言われています。

江戸時代から明治にかけて真岡市は上質な綿の産地でした。

「真岡の綿」(もおかめん)として全国に知れ渡っており、この上質な綿にあやかって名古屋の商人が「岡」という名前を付けて販売したのが由来といわれています。

「特文生地」

太めの糸で文より少し目が粗い生地となっております。他の生地に比べしっかりしたさわり心地が特徴です。

「特岡生地」

細めの糸で岡よりも少し目が細かい生地となっております。滑らかで上質な雰囲気の肌触りです。

 

人によって感じ方にばらつきはあるものの「岡→特岡→文→特文」の順に、特文生地が一番厚みがあります。

手ぬぐいの長さ

手ぬぐいは一般的に90cm×34~36cm幅となっています。

この幅は、生地の種類によって違っており、文生地であれば、34cm幅、特岡生地であれば36cm幅となっております。

手ぬぐいはもともと反物と呼ばれる12mほどの長さの生地になっています。

 

その生地をカットするので長さに関しては基本的に指定があれば対応することができます。そのため剣道用の場合は、頭に巻きやすいよう100cmにカットされているものが一般的です。

 

手ぬぐいはもともと“尺”と呼ばれる単位が使われていました。

当時は浴衣用の余った生地を使って手ぬぐいを作っていたことから、「一尺三尺」「三尺手ぬぐい」などと呼ばれるサイズが一般的でした。

一尺は約30.3cm、つまり90cm(約三尺)×34~36cm(約一尺)ということから、このサイズが一般的なものとなっています。

生地端の処理

手ぬぐい生地の端は切りっぱなしとなっています。
これには理由があり、もともと前述したように、手ぬぐいは本来浴衣に使われる生地の余ったものを使用して作られていました。
お風呂で身体を洗ったり、家の掃除に使うなど日常の簡単な事柄に使うことが想定されていたので90cmほどにカットしたままの状態で縫製せず出荷されていたのが由来です。

現在でも、切りっぱなしのほうが乾きやすく衛生的であり、割いて応急処置用のガーゼとして使うこともできるなど諸々のメリットがあることから、縫製せずに切りっぱなしの状態で作られることが多いです。

オリジナル手ぬぐいを製作する3つの方法|本染め・プリント・フルカラープリント

オリジナル手ぬぐいを作るうえで、代表的な製作方法は3種類あります。

本染め(注染)

注染(ちゅうせん)と呼ばれる染色方法があります。読んで字のごとくジョウロのような道具(壺)でそそいで染めていく方法です。
明治から続く伝統工芸の一種で、糸自体に着色できるので裏までしっかりと色が入るのが特徴です。
吸水性が高く、生地本来のさわり心地も残るため今でも非常に人気の製作方法です。

剣道面手ぬぐいなどは基本的にこの方法で製作されます。

本染め手ぬぐいの製作の流れ
1.型の作成
お客様からのデータをもとに、型を製作していきます。

2.型を手ぬぐい生地の上にセットしたら、色を入れない箇所に防染糊(ぼうせんのり)を敷いていきます。

色同士が混ざったり、染料が流れないようにするため、糊を絞って土手と呼ばれる仕切りを作っていきます。

3.うえから壺(ジョウロのような道具)を使って染料をそそいでいきます。

生地をセットしてる台の下にある、コンプレッサーを使って染料を吸い取ります。
この作業は長年培ってきた職人技で行われており、この職人のことを壺人(つぼんど)とも呼ばれています。

4.染めあがった生地を洗います。

生地についた余分な糊や染料を洗い流していきます。

5.生地を乾かしていきます。

ここまではまだ反物と呼ばれる12mほどの状態なので、天井から吊るして生地全体を乾かしていきます。
天日干しや乾燥設備で乾かしていきます。

6.乾かした手ぬぐいをロール状に巻いて、しわを伸ばしてから手ぬぐいサイズにカットしていきます。

7.加工してお客様のお手元にお届け

仕上がりなどを確認し、間違いがなければ畳んで袋に入れたり、熨斗を巻いたりなどご指定の加工を行い出荷いたします。

スクリーンプリント

スクリーンプリントはシルクプリントなどと呼ばれ、スクリーンプリント機によって手ぬぐい生地にプリントして製作します。
本染めのように裏まで色は通らないものの、本染めでは再現できない細かい柄なども再現することができます。

色ごとに版を製作してプリントしていきますので、色数が増えるほど、版を作る枚数が増えるので総額が高くなってしまいますが、1枚あたりの値段は本染めより安価に製作することができ、製作枚数が多くなればなるほど、1枚あたりの価格が下がります。

使用するインクは染料と顔料の2種類があります。

染料プリントの特徴

染料は、インクを生地内部に浸透させプリントしていく方法です。
生地にプリントしてから、高温の蒸気で蒸し、洗剤と水を使い手ぬぐいを洗っていきます。

上記の加工が終わるころには、生地本来の風合いやさわり心地の良い手ぬぐいへと仕上がります。

吸水性も高く高級感があるため記念品や贈答品としても人気の高い製作方法です。

顔料プリントの特徴

顔料プリントは、生地の上にインクがのっかることでプリントしていく方法です。

染料プリントのような洗いの工程がない分、早く製作することができます。

粘性があるので、生地内部までは浸透せず色が濃いほど印刷部分が固くなりやすいです。

吸水性も若干落ちてしまいます。

デザインがハッキリと出やすく、細かいデザインも再現しやすいので企業様のノベルティやイラストの入ったデザインでも人気の製作方法です。

フルカラー(インクジェット)プリント

写真やアニメ調のイラストなどグラデーションや多色を使用する場合や、5枚など少数枚での製作の場合はこちらの製作方法となります。

当社の場合は、基本的に染料を使ったインクジェットプリントとなりますので風合いを損なわずに製作することができます。

※ご希望であれば顔料インクジェットプリントでの製作も可能です。

 

1枚当たりの価格が高いので、100枚200枚の製作であれば基本的にはスクリーンプリントでのご案内をしております。

データのつくり方

完全データ(Adobe社のイラストレーターver.CS6)にて入稿をお願いしております。
線の状態や効果がかかった状態では使用できませんので、すべてパス化した状態でお願いしております。

あわせて文字もアウトラインをとった状態でお願いいたします。
画像・グラデーションは使用できませんのでご注意ください。

フルカラープリントを除く

線の幅(色が入る部分や、白い部分)は注染の場合は2mm以上、スクリーンプリントの場合は1mm以上必要です。

線幅などの確認方法はこちらの記事も併せて参考にしてください。
もう迷わない!一発入稿できる手ぬぐいデータの作り方(保存版)

神野で出来ること

お客様に最適なご提案

枚数や納期、目的など様々な条件下で最適な製作方法をご提案します。

イベントや使用する日があればそこに間に合うような製作方法をご提案したり、ときには工場と連絡も取りながらスケジュールを決めていきます。

手書き・Excel原稿からデータを作成

イラストレーターをお持ちでない場合は手書きやエクセルなどのデータをもとに、当社でデザインを作成いたします。

豊富な提携工場と連携

全国100件以上の工場と提携しており、それぞれの工場の特徴や、得意不得意な製作方法も把握していますのでお客様のご要望にあった工場を選定し製作いたします。

豊富な実績

⁠神野織物では、年間製作枚数100万枚以上 取引先様累計7000以上の実績があります。

例えばこんなご提案

団体の周年記念手ぬぐいを作りたい、色が裏まで通ったオリジナルの手ぬぐいが欲しい
 

→注染による本染め手ぬぐいでの製作がおススメです。

手ぬぐいの伝統工芸である注染によりオリジナル手ぬぐいを製作いたします。

色がしっかりと裏まで通っており、綿本来の肌ざわりが味わえます。

吸水性も高く実用的なアイテムとなっております。

 

剣道用面手ぬぐいが欲しい

→注染による本染め手ぬぐいでの製作がおススメです。

剣道用の面手ぬぐいを製作する場合は、ほとんどがこちらの方法で製作されています。

裏まで色が通っており、吸水性も優れているため汗をしっかりと吸収してくれます。

 

イベントの来場者記念に手ぬぐいを配りたい、大ロットで安く製作したい

 

顔料プリントによる製作がおすすめです。

生地に顔料インクによってプリントしていきます。染料プリントよりも安く製作でき、印刷範囲が狭ければより安価に製作することが可能です。

大ロットに向いた製作方法となっております。

デメリットとしては、印刷面が固くなりやすく、プリント色が濃ければ濃いほどその差が表れてきます。

印刷面の吸水性が若干おちてしまいます。

 

オリジナルのキャラクター商品を少数枚作成したい、同人活動で販売する商品を作りたい

 

→染料インクジェットプリントがおすすめです。

インクジェットプリントであれば、1枚から作成でき、発色がよく、フルカラーでの印刷が可能です。

写真の印刷やフルラカーの印刷も可能です。

さらにこんな使い方もございますので、こちらも併せてご覧ください!

お祭り手ぬぐい

町内会や自治体、神社のお祭りに使えるオリジナル手ぬぐいが製作できます!

家紋手ぬぐい

日本の伝統工芸品である手ぬぐいに、家紋を入れて製作いたします!

販促手ぬぐい

各種イベントやキャンペーンの販促品・ノベルティとして、手ぬぐいが注目されています!

デザイン手ぬぐい

アーティスト様やイラストレーター様、漫画家様などでもグッズ製作するうえで手ぬぐいは非常に人気な商品の一つです。

スポーツ手ぬぐい

スポーツイベントの配りものや、チームのオリジナルアイテムを製作のときにおすすめなのが「手ぬぐい」です。

まとめ

今回は手ぬぐいについてまとめました。手ぬぐいの生地には和晒生地が使われており、晒し作業には「洋晒」と「和晒」の2つの方法があります。

洋晒は自動精錬機を使用して行われ、短時間で洗浄・漂白ができるが、繊維に圧力がかかり風合いが損なわれやすいです。

和晒は巨大な窯を使い、繊維の形状が保たれたまま4日間かけて晒され、柔らかい風合いが特徴です。

大阪府堺市が主な産地で、生地の種類は「文生地」「岡生地」「特文生地」「特岡生地」の4つに分かれます。

手ぬぐいの長さは一般的に90cm×34~36cm幅で、生地の種類によって異なります。

 

生地の端は切りっぱなしで、これは浴衣の余りを使っていたためであり、切りっぱなしの方が乾きやすく衛生的です。

製作方法には本染め(注染)、スクリーンプリント、フルカラー(インクジェット)プリントなどがあり、それぞれ特徴があります。

注染は伝統的な染色方法で、糸全体に色が入り吸水性が高いです。スクリーンプリントは細かい柄も再現でき、顔料プリントは早く製作できますが吸水性がやや低くなります。

フルカラープリントは写真や多色使用時に適しています。神野ではお客様に最適な提案をし、手書きやExcelからのデータも調整可能です。100以上の工場と提携しており、幅広い実績があります。

例えば、周年記念手ぬぐいや剣道用面手ぬぐいは注染がおすすめで、イベント向けには顔料プリントが適しています。

オリジナル手ぬぐいの用途やこだわりに応じて染色の種類やサイズをカスタマイズできます。神野織物ではお電話、メール以外にLINEでもお問い合わせが可能です。友達追加してお気軽にご相談ください。

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オリジナル手ぬぐい制作専門 神野織物(株)
住所:大阪府吹田市片山町4-33-40
 
私たちは、オリジナル手ぬぐい制作専門 業界初【ISO9001品質】取得の商社です!
創業115年の経験をもとに 全国106件の協力工場から あなたが作りたいオリジナル手ぬぐいの、デザインに合った最適な作成方法をプロの視点から親切・丁寧にアドバイスし、製作出来る会社です。