手ぬぐいは言うまでもなく、日本の文化・歴史の中で愛され使い続けられてきています。
そもそも手ぬぐいの原型は奈良時代にさかのぼると言いますから、1300年前から存在
していることになるでしょうか。
元々は仏具など神仏の清掃に使われていたものらしいですが、神事の際に身にまとうよう
になり、やがて一般的に使われるようになったようです。
同時に、芸能方面でも多用されるようになり、歌舞伎や日本舞踊落語の小道具として使わ
れたり、各地のお祭りの際の踊りのときの衣装の一部として使われるようにもなりました。
落語を見ていると、落語家のみなさんはほんとうまく具合に手ぬぐいを使っていらっしゃ
いますね。
1本の手ぬぐいが湯呑になったり、たばこ入れになったり、財布になったりと、
見ている方もそのように見えてきますから、落語という芸の深さはすごいんだなあと思います。
こういった古典芸能ともいえる世界では、やはり手ぬぐいはなくなってしまうことはないでしょう。
落語の小道具が手ぬぐいからタオルやハンカチに変わるというのもなんだか味気ない気がして
しまいますしね。
もしかすると、落語などの伝統芸能を見て感じる独特の感覚は日本人が忘れることのできない、
素晴らしい感性なのではないかと感じることが良くあります。
私は日常的に手ぬぐいを使っていますが、京都などに行った際にはやはりハンカチより手ぬぐい
を使っている方がサマになっている気もしますし、初詣で神社に行ったときも、襟元にマフラー
を巻くより手ぬぐいを巻いている方がなんとなく合っているように感じます。
もう一つ、よく使われるのに剣道では 面タオルや面手ぬぐい 面したなんかで呼ばれている手ぬぐいがあります。これは剣道では面の下につけて汗が流れてくるのを防いだり面を打たれた時のショックを和らげる目的で使います。
色々な目的で使われていますね♪
神野織物でも落語家の桂文治師匠が本染め手ぬぐいを作ってくださいました。
WEBサイトにも掲載していますが、桂文治師匠の感想です。
「オリジナル手ぬぐいの製作は最初、デザイン案がイラストレーターのデータでなく、
加えて納期の期日が迫っていたため、間に合うかが不安でした。
注文の決め手は社長の対応の一言につきます。嬉しかったのは、まず期日に間に合った
ところです。値段を配慮いただいたのもあります。担当者の対応やwedサイトも満足して
います。実際に仕上がった手ぬぐいも期待通りです」
期日に間に合わせる、値段を配慮するということは企業としてはある種当たり前のことだ
と思いますが、それ以上に師匠から「対応が良かった」と評価していただけたのは、私ども
としても嬉しい限りです。師匠の高座をご覧になられるときには、「あの手ぬぐいは神野
の手ぬぐいなんだな」と思っていただければ嬉しいです。