ホームページやブログで、タオルや手ぬぐいのお話を紹介させていただいていますが、せっかくなのでもっと深くタオルや手ぬぐいの世界を知ってもらいたいなあと思っています。
そこで今回は、普通に生活をしているだけではまず知ることがない手ぬぐいの生地のお話をしたいと思います。
手ぬぐいの生地には「文(ぶん)」と「岡(おか)」と呼ばれる2種類の生地があります。
目次
手ぬぐいの生地の種類
手ぬぐいの生地には大きく分けて「文(ぶん)」と「岡(おか)」と呼ばれる2種類の生地があります。
これ以外に注染(ちゅうせん)で作る手ぬぐい生地には「特文」「特岡」があります。「特文」は文字通り特別な文 「特岡」は特別な岡という意味の生地です。
これ以外にも手ぬぐい生地の名前はたくさんあります。
江戸時代は沢山の手ぬぐいの生地工場があり工場独自の名前をつけて販売していました。また、この工場から仕入れた業者も差別化を考え独自の名前を付けて販路に乗せて販売しました。その名残が「総理」や「優美」「菊水」などの名前で呼ばれている生地で、当時は沢山の名前の生地があったようです。
現在は弊社でも、剣道の手ぬぐいに特化した「剣」を使っています。
この生地は、剣道での使用に適した手触りや吸水性を九段の先生に相談して作ったもので一般的な文生地より腰があるが厚くない生地となっています。
「岡」「文」生地の特徴
生地の名前は、糸の太さの違いで分けています。
文の方が荒く織られています。岡の方が細い糸を使っているのでしなやかな仕上がりになります。
文生地は綿の糸番手でいうと「20番手」(通称 ニマル)を使用しています。
特文はニマル 特岡はサンマルを使います。
特文はニマルを使います。
文と同じニマルを使いますが、文より打ち込み(縦糸と横糸の糸の密度の事)がしっかりしているので厚く仕上がります。
特岡は別名ゆかた生地ともいわれており、岡と同じサンマルを使います。
岡よりしっかりと打ち込み本数を多くすることによって、岡のようにしなやかな感じではなくピシッとした厚い生地になります。
手ぬぐいを作る時にはほとんどこの生地は使用しません。
「岡」「文」糸の特徴
綿の20番手という綿糸は、手ぬぐいやタオル等でも良く使われる糸です。
綿の場合、この数字が大きいほど糸の太さが細くなります。
手ぬぐいでは20番手か30番手が一番使われる糸になります。 この20番手と30番手の糸を使って文や岡の手ぬぐい生地を作っていますが特文や特岡はこの糸を使い打ち込み密度を上げることで厚さを増しています。
手ぬぐい生地の名前の由来・意味は?
こちらの動画でも説明しています。
私も入社したての時は不思議でした。
なんでこんな呼び方?
入社したての時はそう思っていたのが何年か経つと当たり前になっていました。
ある時お客さんから「なんで、こんな名前なんですか?」って聞かれ、そういえば私も不思議だったな・・・と思い出し、調べてみることにしました。
年配の生地商社さんや生産工場 晒し屋さんなどに聞き合わせてなんとなくわかってきました。
「岡」の由来
栃木県真岡市 に由来しているようです。
江戸時代から明治にかけてこのあたりは上質な綿の産地でした。
「真岡の綿」(もおかめん)として全国に知れ渡っていたのです。この上質な綿にあやかって名古屋の商人が「岡」という名前を付けて販売したようなのです。
「総理」の由来
このブログの初めにもお伝えしたように、手ぬぐい生地は商社や工場毎に同じニマルの糸を使った物でも名前が違いました。
そんな中でも、関西に総理晒(そうりさらし)という名前で手ぬぐい生地を販売していた商社があります。この商社が時代の流れに乗って全国に大量に販売をしたので、手ぬぐい生地=総理となって文生地の事を「総理」と定着したようです。
「文」の由来
この名前の由来は全く分かりませんでした。
噂では、関西の商人がこの晒しは丈夫で長持ちしますよ~と売り文句にしていたのが丈夫の「丈」の字が文ってなったのかな???との事です。
ウソみたいな話ですね(笑)
「文」「岡」のメリットとデメリット
上の生地画像で解るように、文生地の方がざっくり織られています。
これは、主に手を拭うため水分の吸収を考えて作られた生地だからです。
一方、岡はゆかた生地ともいわれるようにゆかたを作る時に使った生地です。ゆかたなので着用目的。キッチリとした生地じゃないといけません。そこで文より密度を高くして作られました。
「文」のメリット
ざっくりニマルの太い糸で織られているので使っているうちにフカフカになってきます。
厚みがでてしっかり拭きとれます。
「岡」のメリット
サンマルで織られているので使っているうちになめらかに腰のない柔らかい使い心地になってきます。
細かいデザインを手ぬぐいに付ける場合は、密に織られているので綺麗にでる。
「文」のデメリット
注染で作る場合ニマルの糸の太さとざっくりと織られているので注染をした場合「刺さり」や「滲み」が出やすくなる。
「岡」のデメリット
文より密に織られているので、注染で作る時は文より「滲み」や「刺さり」は出にくいが、生地が薄い感じがする。
価格の話
生地の価格の差は一枚当たり10円~20円程度です。
そんなにも価格差はありません。
生地の特徴に合わせた使い方
オリジナルで作る場合は、この特性を考えて生地を選択します。
プリントの場合→細かいデザインの場合は間違いなく岡をお勧めします。
本染めの場合→剣道の手ぬぐい以外は岡生地を選択されることが多いです。
※手作りで作る本染めの場合、色やデザインによってこの滲みや刺さりはどうしても出ることがあります。キッチリ表現したい場合は岡生地でのプリントをお勧めします。
最後に
文章で表現するとなかなか伝わりにくいので、過去にオリジナル手ぬぐいを製作されたお客様のご感想を紹介させていただきますね。
良く聞かれる感想としては「岡生地では薄くて安っぽく感じた」とか「文生地は肌触りがざらざらする」などがありますが、その他には「岡生地はきめ細かくてしっかりしていた」や「文生地は通気性が良くスポーツに最適」と言った感想もいただいています。
もちろん、人それぞれ感じ方が違うでしょうし、プリント加工の場合は、表面がパリっとして厚みが出たりもしますので、実際のデザインや加工方法で質感は大きく変わります。
本染めの場合は使うほどに柔らかくなり愛着が出てきます。
それぞれ良いところがありますので、お好みの生地に合わせてデザインを考えてみてください。
弊社スタッフに相談していただいても大丈夫です。
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