from 神野哲郎
この時期、高校生スポーツというとどうしても野球・甲子園が話題になりがちですが、ほぼ同時期にインターハイ(高校総体)も開催されています。
こちらは高校野球とは違い、毎年会場が変わっていきます。
2014年の今年は南関東大会ということで、東京都、千葉県、神奈川県、山梨県の1都3県で開催をされました。
人数的に言うと当たり前のことですが、甲子園よりはこちらの方が競技数も参加人数も多いので もっと注目されてもいいとは思うのですが、今ひとつ話題にならないのがさびしいとこですね。
インターハイには様々な競技があるわけなんですが、私が個人的にどうしても注目してしまうのが「剣道」なんです。
私事ですが今年「剣道日本」という雑誌の3月号に特集をしていただいたこともあるのと、剣道をされている方が弊社をご利用いただくことが多いので、やはり気になります。
みなさんもご存じの通り、剣道では頭に手ぬぐいを巻いてから面をかぶります。
あの手ぬぐいのことを「面タオル」や「剣道手ぬぐい」「面した」「面手ぬぐい」と呼ぶのですが、この手ぬぐいをオリジナルで染めるという人が増えています。
道場や学校の名前を注染するのはもちろんのこと、道場や部が大切にしている言葉や選手個人
を奮い立たせたり落ち着かせたりする言葉も注染したりします。
例えば「平常心」とか「勇猛心」とか。
その他にも剣道でよくつかわれている言葉としては、「一意専心」「一心不乱」「威風堂々」
「剣心一如」「疾風迅雷」などがあります。
言葉の意味に興味のある人は、一度辞書で調べてみえくださいね。
よく依頼頂くのが、以前作った面タオルと同じように作って欲しい・・・というものです。
何代も前の先生に書いていただき 伝統として使っている手ぬぐいです。色も字体も同じように作ります。
剣道は紛れもなくメンタルスポーツです。
試合前の精神状態が結果に大きく左右していきます。
選手は面をつける前に、この手ぬぐいの文字を読み、時には心を静かにし、時には闘志を燃やしそれらを内に秘め、試合に臨みます。
そういうことを知らずにいると「たかが手ぬぐい」かも知れません。
でも、私たちが作ったオリジナルプリントの手ぬぐいが、その人の心に大きく影響を与えているということは、私たち作り手にとっても大きな誇りになっています。
なかなかテレビなどで剣道の試合を見る機会はないのですが、もし見ることが出来たら、この面タオルにも注目してみてください。
そして試合前に選手がその手ぬぐいをじっと見つめている姿が見られたとしたら、その面タオルにはきっと何か大切な言葉が書かれていることと思います。