from 西宮 神野哲郎
こんにちは神野です。
本日は 前回の 手ぬぐいの作り方の話に続き 『安く・綺麗にできるデザインの作り方』をシェアしたいと思います。
デザインを作ってから手ぬぐいにしようと思っても、表現が出来ないようなデザインってよく有ります。本染めには適さないデザインであったりプリントでは固くなって粗悪なものになってしまうデザインも有ります。
デザインが決定してからでは問題が大きくなります。 その前に 知っておくと損をしない安く、早く、綺麗に出来る作り方をお知らせします。
◆◇◆ 安く・綺麗に出来るデザインの作り方 ◆◇◆
どんなデザインにしたら綺麗に安くできるんだろう?
よく相談を受けることがあります。
前回も説明したように プリントや染色の価格は
顔料プリン < 染料プリント < 本染め
となりますので 一番安いのは顔料プリントということとなります。
なので この顔料プリントの中で一番安く作る方法はなにか?
ということですが・・・
①生地の端のほうは、白い部分があって生地の中の方に柄のあるデザイン
「制限ありプリント手ぬぐい」の写真
②生地の端まで柄のあるデザイン手ぬぐいの写真
「全面プリント手ぬぐい」の写真
③生地の端まで全面に色が付いているようなデザイン
「ベタプリント手ぬぐい」の写真
このように 顔料プリントでもこのように3種類あります。
結論から言うと 安く作るデザインの作り方は
①の 「生地の端のほうは、白い部分があって生地の中の方に柄のあるデザイン」です。
プリントする手ぬぐい「生地の天地左右3センチ程度の白場(余白)をとってデザインをする」というのが一番安くできる方法です。
白場を取るとはどういうことかというと額縁みたいに外側に白い枠を付けてデザインを制作するというものです。
このプリントの仕様は「制限ありプリント」とも言われています。
生地の端までデザインが出来ない=デザインに制限があるプリントという意味です。
◆◇◆ オリジナル手ぬぐいを一番安くつくる方法 ◆◇◆
こうすると何故安くなるかということですが、理由があります。
プリント工場では版を使い、流れ作業の様にベルトの上に手ぬぐいを載せて生地にプリントをしていきます。
この時、生地の端まであるデザインをプリントしようとした場合は、
生地の端までプリントする必要があるので、どうしてもプリント台にインクが付いてしまいます。
こうなると、次の生地をプリントまでに 1度台を拭いて綺麗にするという作業が入ります。
余分な作業工程が発生するのです・・・。
この時間が、作業工賃に跳ね返ってきて、単価も高くなってしまうのです。
生地端から3cm程度枠をとった(白い部分を残した)デザインの場合、この作業が必要がありません。
プリント台を汚すことなく次の生地のプリントができます。
時間がかからず、スムーズに流れるということですね♪
ここで3センチ程度って言っていますが 当然3センチ以上開いていても大丈夫です。
真ん中にワンポイントって柄でもこの仕様になり安く作ることが出来ます。
どうしても安くプリントを仕上げたい場合には、①番のようなデザインが必須となります。
②番や③番では、プリント台を拭く作業が必要になるので 単価では①にかないません。
また、①②③共通の注意点で 綺麗に仕上げるにはどういったデザインが良いかということですが、まず第1に線の幅を考えなければなりません。
本染めと違い、プリントだからといって極端に細いデザインにすると、
やはりインクが浸食して途切れたり滲んだりして汚く仕上がる可能性があります。
これを避けるためにできるだけ大きめの太い線のデザインにした方が無難です。※0.5ミリ以上が理想です。
◆◇◆ プリントする色による出来上がりの違い ◆◇◆
最後に、色によっても手触り(プリント面の質感)が変わってきます。
薄い色ではあまり気にならないのですが 濃い紺色や黒、赤のような濃い色を使った場合は、表面の硬さ ザラつきが気になります。 (特に③のように全面にベタでプリントされている時に感じます。)
これは、前回でも少し触れましたが、色落ちを防ぐ糊をたくさん使用しているからです。
どんな色でも洗うと色落ちをしているのですが 濃い色ほどこの色落ちが目立つため工場も気を使ってこの糊をたくさん使用します。
この糊がプリント面の硬さの原因です。
ですから、手触りを重視したい場合は濃い色でデザインするのはおすすめ出来ません。 薄い色をメインに使うことをお勧めします。
また、濃い色の全面に使ったような③のようなデザインの場合は、顔料ではなく染料プリントをお薦めします。
顔料に比べ染料はインクを糸にしみ込ませながらプリントしますので、
綿本来の柔らかさを損なわない仕上がりとなります。
ただその分 工程も増えること(昨日のメルマガを参照ください)から高価になってきます。
大量に製作する時は別ですが、値段重視の場合はちょっと難しいかもしれません…。
◆◇◆ まとめ ◆◇◆
、
★価格重視の場合… ①の場合
1.生地の端を3センチ程度の白場をとってのデザインをする。
2. あまり濃い色を使用せずにデザインする。
3. 白場の多いデザインにすることで 線画で表現する。
に注意して下さい。
★生地の端までデザインをするのが絶対条件の場合…②③の場合
1.顔料プリントでも染料プリントでも製作は可能。、
※ただし、手触りを求める場合は染料プリントをおすすめします。
価格は 顔料プリント < 染料プリント
価格だけで言うと、
顔料プリント(3センチ程度の枠付き) < 顔料ベタプリント < 染料プリント
となります。
手触りでいうと、
顔料プリント < 染料プリント
となります。
◆◇◆ 価格と手触りを両立する方法 ◆◇◆
染料プリントは高くなりますし、顔料のプリントでは硬くなるので嫌だ…。
とクライアントさんに言われた場合は、どういったデザインが良いかということですが、
顔料のプリントでも白場の多いプリントではそんなに硬くは感じません。
イラスト等の線画をプリントした場合、そんなに硬くならず仕上がりも綺麗です。
実際、デザイン事務所さんや企画会社さんからのデータ入稿が一番多いのがこのタイプです。
しかし、お客さんによって「価格重視」の場合もあれば「質感重視」の場合もあります。
今お伝えしたことを頭に入れてお客様の望むものをおすすめしてください。
次回は
『デザインによるプリント方法の見極め』
プリント方法の見極めについて ????にお応えします。
それではご期待ください。
PS1
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※これらの動画は、4分程度にまとめていますのでお気軽にご覧になってください。