ここまでプリントの手ぬぐいの作り方を説明してきましたけども、やはり本染めがいいな...って言われるクライアントもおられると思います。
そこで本染めの手ぬぐいについて軽く触れてみたいと思います。
本染めの手ぬぐいの場合、一番単価が変わってくるのがデザインです。
大きく、太く、あまり細かくないデザインの場合は安くなるのですが、全体に細かく全面に入っているデザインは高くなります。それに、全体に色がついているようなデザインではこれよりもっと高くなります
一般的に剣道でよく使う手ぬぐい「切磋琢磨」とか「一刀両断」と書いてあるような白い手ぬぐい生地に文字が書いてあるようなデザインの場合は安くなります。型代は別(約15000円程度)で一枚300円まででできると思います。
これが全体に柄がある場合でしたら、1.5倍程度。
それも全体に色がついて細かいデザインの場合はもっと高くなります。
倍くらいになってしまいます…。
本染の手ぬぐいの場合、単色の場合が多いですが、二色、三色でも作成はできます。
この場合も手間がかかる分単価が上がってくるのです。
※本染めの場合は一つの型で多色を染めていきます。
スクリーンプリントのように色によって型は必要ありません。
この単価の違いは、染めるときの面倒さによって変わってきます。細かいデザインの場合は何回も染料を注いで気を使いながらゆっくりと染めあげます。本来、30枚から40枚を一度で染めるところを20枚や10枚にしてみたりと加減をします。10枚を染めても30枚を染めても染料の量は変わらず手間だけが増えるだけです。
全面に色を付ける時も同じです。
できるだけムラにならないように気を使いながら染め上げます。
型を作る時でも時間の掛かるデザインでは高くなります。
紗(網)を張った紙をデザインに合わせてカッターで切って型を作ります。
手作業で作る部分も多いので、非常に時間がかかるのです。
剣道で使うような手ぬぐいの場合は、ほとんどが楷書体の日本語ですので簡単に作ることができますが、全体にデザインがあったり細かいデザインの場合は、時間と手間がかかる分、価格も高くなってしまいます。
このあたりも注意が必要です。
あなたがクライアントから本染めの手ぬぐいを求められた場合、まずどんなデザインにするのかを聞いてみてください。今、お伝えしたことを頭においてお話するとデザインによって価格の変わる本染めを理解してもらえると思います。
本染めの手ぬぐいは、手作りです。
染料を注ぎながら手ぬぐいを作るような非常にアナログ的な製品ですので、出来上がりそれぞれに違った表情になります。このあたりをご理解頂けないクライアントにはプリント手ぬぐいをお奨めして下さい。
プリントの手ぬぐいは本染の手ぬぐいに比べると、まだ均一性があります。